修復完了した庭園の池。奥は松桜閣=黒部市若栗

修復完了した庭園の池。奥は松桜閣=黒部市若栗

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「北陸の銀閣」松桜閣の修復終える

北日本新聞(2014年12月1日)

 黒部市若栗の市文化財「松桜閣の庭園」の修復工事が終わり、30日、現地で関係者100人が出席して完成式を行った。庭に長年積もった土砂や茂った樹木を取り除き、80年前に造られた当初の姿をよみがえらせた。関係者は「北陸の銀閣寺」ともたたえられる松桜閣と一体となった名庭の復元を喜んだ。

 式で、保存に取り組むNPO松桜閣保勝会の川村昭一理事長が「2度、3度と訪れたくなる庭園になった。住民全員で守りたい」とあいさつした。石井知事、堀内市長、宮腰光寛前衆院議員が祝辞を述べた。調査と修復に取り組んだ職藝学院(富山市東黒牧・大山)の上野幸夫教授が見どころを解説した。

 川底に敷いた石を含めて曲水を復元し、池では自然石を配した石組みや滝を確認した。上野教授は「五感全体で鑑賞でき、富山を代表する名庭」と話している。

 松桜閣と庭は天真寺の境内にある。庭は富山市の庭師、城川久治が1932年に完成させた。琵琶湖の形の池や、滝、石橋、五重の塔などで構成される。松桜閣は全国的にも少ない楼閣の数寄屋建築で、京都の銀閣寺に似ているとされる。

 松桜閣が2011年に復元された後、13年から事業費約1500万円をかけて保勝会が庭の修復に取り組んだ。

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