県などが2012年に開いた障害者スキーの体験教室。椅子に座って滑るチェアスキーなどを楽しんだ=新発田市

県などが2012年に開いた障害者スキーの体験教室。椅子に座って滑るチェアスキーなどを楽しんだ=新発田市

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障害者スキー 楽しさもっと知って 裾野拡大へ来年講習会

新潟日報(2014年12月2日)

 県身体障害者スキー協会が障害者スキーヤーの減少に危機感を強めている。気軽にスキーを体験する機会をつくろうと、来年1、2月にはスキーが初めての障害者も参加できる講習会を開く。協会は「スキーは障害があっても楽しめる。その魅力を知ってほしい」と呼び掛け、普及活動に一層の力を入れる考えだ。

 協会の会員は現在6人。前身の県身体障害者トライアルスキークラブから現在の名称になった1985年は30人以上いたが、高齢化などで退会が続き、本年度は過去最少になった。

 11月30日には上越市大潟区で総会が開かれたが、出席したのは4人。「協会の存在が知られていない」「学校などに呼び掛けてはどうか」などと対策を話し合った。協会会長で、日本協会の会長も務める目黒正己さん(70)=長岡市=は「障害者スキーヤーは健常者以上に減り方が著しい」と話す。

 協会は椅子に座って滑るチェアスキーや、ストックの先に滑走板が付いた「アウトリガー」を使ったアルペンスキーの普及に取り組んできた。県内自治体と社会福祉協議会に会員募集の告知に協力してくれるよう依頼したり、講習会に初心者でも参加できるようにしたりするなど、障害者スキーヤーの減少に歯止めを掛けようと懸命だ。

 会員で、アウトリガーを使うスタイルでパラリンピックに2度出場した伊藤裕美さん(42)=糸魚川市=は「慣れれば健常者と同じように楽しめるのが一番の魅力。この楽しさを多くの人に伝えたい」と意気込む。

 県によると、県内で身体障害者の手帳を持つ人は約9万7千人。目黒さんは「後ろから健常者が介助して滑るそり型のスキーもあり、障害が重い人も楽しめる。健常者と一緒に滑ることで、障害への理解も深まる」と訴える。

 講習会は来年1月中旬に南魚沼・湯沢方面、2月下旬に赤倉・池の平方面で開く予定。問い合わせは目黒さん、0258(24)0261。

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