第38回公募日創(にっそう)展&新院展選抜金沢展(日創会主催、北國新聞社共催)は10日、金沢市の県立美術館で一般公開が始まった。花鳥風月や現代的なモチーフを伸び伸びと描いた力作106点が並び、石川から中央への文化発信を目指すメンバーの意気を伝えた。
日創会は、日本画家の丹羽俊夫さん(金沢市)が1977(昭和52)年に創設し、会長を務める美術団体。
北國新聞社社長賞に輝いた柴田有見さん(金沢市)の「紅蓮(ぐれん)」は、般若(はんにゃ)面を付けた能楽師の舞い姿に具現化した情念の炎をまとわせており、一貫して能を画題にしている作者の研究ぶりをうかがわせた。
冬の葦原の清澄な情趣をとらえた丹羽会長の「冬(ふゆ)支(じ)度(たく)」や、群青(ぐんじょう)の岩絵の具を大胆に使って雪の宝達山を描いた三宅厚史理事長の作品、金沢駅の鼓門(つづみもん)や団地の一角を独自の視点で切り取った力作も来場者の目を引いた。
金沢市窪2丁目の満願寺美術館では、日創展児童絵画部門の作品14点が展示された。会期は12日まで。