煮た鹿肉燻製と缶詰をPRする木下直美さん

煮た鹿肉燻製と缶詰をPRする木下直美さん

長野県 伊那路 グルメ 特産

鹿肉の柔らかい食感味わって 中川の夫婦、燻製や缶詰に

信濃毎日新聞(2014年12月19日)

 上伊那郡中川村などでニホンジカの猟をして解体し、同村大草の自宅工房で薫製を作って販売している木下重幸さん(53)、直美さん(54)夫婦が、煮た鹿肉の薫製と缶詰を発売した。多くの人に味わってほしいと柔らかい食感にした。鹿の食害や鹿肉の活用は各地で課題になっており、直美さんは「鹿肉も工夫によってはおいしく食べられることを知ってほしい」と話す。

 薫製は50グラム入り。主に背ロースやモモ肉をしょうゆと唐辛子でシンプルに味付けして1時間ほど煮込み、薫蒸して仕上げた。缶詰は1缶110グラムで「大和煮」と「味噌(みそ)煮」の2種類。知人から紹介された北海道遠軽(えんがる)町の業者に鹿肉を送って加工した。

 2人は上伊那猟友会中川支部に所属し、狩猟免許と銃砲所持許可を持つ。猟をしても肉を使い切れず、「もったいない」と思っていた。今年3月に「燻製(くんせい)工房もみじ」を開設。猟友会や行政関係者の問い合わせが県内外から寄せられ、視察もあった。

 「鹿のことで悩んでいる人が多いのかなと感じた」と直美さん。鹿肉のおいしさを伝えることで食害対策や肉活用の後押しができればと願う。

 薫製、缶詰とも600円。問い合わせは工房(電話0265・88・2590)へ。

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