鰤醤を開発し、販売する片口屋の片口淑子社長(中央)と片口敏昭専務(左)。右は共同開発した宇多川教授=射水市の割烹「田舎」

鰤醤を開発し、販売する片口屋の片口淑子社長(中央)と片口敏昭専務(左)。右は共同開発した宇多川教授=射水市の割烹「田舎」

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鰤(ぶり)醤を開発、きょう20日から販売 小杉の片口屋

北日本新聞(2014年12月20日)

 しょうゆ・みそ醸造、販売の片口屋(射水市戸破・小杉、片口淑子社長)は、ブリの内臓で作った魚醤(ぎょしょう)「鰤醤(ぶりしょう)」を福井県立大と共同開発した。ブリの魚醤は国内で初めてといい、20日から片口屋の店舗や道の駅新湊、新湊きっときっと市場などで販売する。

 福井県立大副学長の宇多川隆教授が研究、開発し、特許出願している「速醸法」を用いている。ブリの内臓を55度に加熱することで殺菌し、塩の量を普通のしょうゆ並みの15%に抑えるとともに、タンパク質を分解してアミノ酸に変え、うまみを出す。普通の魚醤は半年から1年ほど寝かせて作るが、鰤醤は3日で発酵し、ろ過まで1週間と短期間で作ることができる。遠心分離器で匂いのもとになる油分を除去し、香ばしい香りとなった。

 片口屋の片口敏昭専務が昨年12月、石川県立大であった発酵食品の講演会に参加。宇多川教授と知り合い、ブリで作る魚醤を提案され、ことし1月から1年かけて商品化させた。

 それまで捨てられていたブリの内臓が有効利用され、鰤醤を作ったあとのかすも大豆の搾りかすと合わせて魚の餌にするなど活用できる。

 県の食品研究所や富山県立大の技術協力を得て、鰤醤とみりん、酒、バイ貝で作ったレトルトパックの炊き込みご飯のもとを開発中で、来年1月か2月に製品化する。

 19日は同市戸破の割烹「田舎(たなか)」で試食会があり、宇多川教授は「魚の風味が迫ってくるようだ」と話した。

 鰤醤は2種類あり、「氷見寒ブリ鰤醤」が120ccで1200円、「富山湾ブリ鰤醤」が1000円。片口専務は「新幹線の開業も迫り、富山のおいしさを売り込み、全国に届けたい」と話している。問い合わせは片口屋0766(55)0003。

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