塩水に漬けて売られている三郎座の「塩あわせ柿」=福井市風巻町のJA越前丹生直売所「膳野菜」

塩水に漬けて売られている三郎座の「塩あわせ柿」=福井市風巻町のJA越前丹生直売所「膳野菜」

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ご当地グルメ・塩あわせ柿再興に力 JA越前丹生

福井新聞(2015年1月7日)

 JA越前丹生が、越前町周辺に固有の渋柿「三郎座」を塩水につけて渋を抜いた「塩あわせ柿」の再興に取り組んでいる。40~50年前までは各家庭で作られ食べられていたが、柿の木が減り、また多彩な果物が出回るようになって渋柿を加工する農家が減少し、製法が途絶えかけていた。同JAは安定して渋が抜ける製法を研究して商品化し、品種の普及も行っている。

 同JAによると、渋柿はアルコールや二酸化炭素を使って渋を抜くのが一般的だが、塩水でも同じように渋が抜ける。塩柿は2月ごろまで保存が可能で、シャキシャキした歯応えと塩味が甘さを引き立てておいしい。冬場の貴重なおやつとして重宝されていた。

 三郎座は同町周辺に固有の品種で山際に多く生えていた。だが40~50年前ごろから杉の植栽が進み数が減った。枝切りなど手入れする人も少なかったため、大木に育って収穫が難しくなり、塩柿も作られなくなった。

 2011年、同JAが町内の農家から三郎座と塩あわせ柿の存在を知り、再興に着手。作り方を聞き取りし、塩水の濃度や漬ける期間、温度など製法を探ってきた。最初の年は約半分が腐ってしまったが、現在は約9割が食べられるようになった。

 販売方法も工夫している。昨年度は箱入りや塩水に漬けた袋入りなどさまざまな方法で約280キロを出荷したが、本年度は塩水に漬けた袋入りの販売に決めた。昨年12月中旬から福井市風巻町にある同JA直売所「膳野菜」と、越前町樫津の農産物直売所「おもいでな」で3個入り1袋350円前後で売っている。膳野菜を訪れた人は「懐かしい」「珍しい」と言いながら次々と袋を手に取っていた。

 接ぎ木で苗も作り、管内の農家で試験的に植栽を進めている。昨年は約300本を配った。

 今後の課題は品質のさらなる安定。収穫方法も改善点で、低木に育てれば採りやすいが、植えてから収穫できるまで5~6年かかるという。
 同JAの担当者は「長い視野に立って、ここでしか味わえないものとして定着させていきたい」と話していた。

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