小コレクター運動の歩みと瑛九ら著名作家の作品を紹介する展示会=福井市の県立美術館

小コレクター運動の歩みと瑛九ら著名作家の作品を紹介する展示会=福井市の県立美術館

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小コレクター運動 瑛九、靉嘔ら作品140点一堂

福井新聞(2015年1月12日)

 無名な若手作家の作品を購入して支援する小コレクター運動をテーマにした作品展「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み」は2月8日まで、福井市の県立美術館で開かれている。瑛九(えいきゅう)、靉嘔(あいおう)、池田満寿夫ら現在では著名な作家の初期の作品など約140点が並び、活動の支えとなった本県の小コレクター運動の意義を伝えている。

 小コレクター運動は1950年代、美術評論家久保貞次郎さんが提唱した美術教育の運動「創造美育運動」から起こり、福井県内でも多くの教員が参加。78年には「アートフル勝山の会」が発足し、運動を継承している。今回は、同会の運営を支えてきた中上光雄、陽子夫妻(勝山市)が収集した版画や油彩画などを展示した。

 池田満寿夫の版画「埋葬」「月の騎士」(ともに57年)は、県内の小コレクター運動によって当時購入された作品。支援者が作品を毎月購入する契約を結ぶことで、版画家として名を成すまで制作に没頭できる環境が整ったという。

 前衛美術家の瑛九も、県内の同運動に生活面を支えられた一人で、心象風景を点描した大作「黄色いかげ」などを展示。虹の芸術家と称される靉嘔の代表作「レインボー北斎」も並び、鮮烈な色彩が訪れた人の目を引いている。

 18日午後2時から、元創造美育協会福井支部メンバーの藤本よし子さん、アートフル勝山の会代表の荒井由泰さんら関係者を招いた座談会を同館で開き、本県の小コレクター運動について紹介する。

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