大勢の見物人が集まった境内で軽やかに舞う「幸法」=15日午前1時31分、阿南町新野の伊豆神社

大勢の見物人が集まった境内で軽やかに舞う「幸法」=15日午前1時31分、阿南町新野の伊豆神社

長野県 伊那路 祭り・催し

演者も観客も飽かぬ宵越し 阿南「新野の雪祭り」

信濃毎日新聞(2015年1月16日)

 下伊那郡阿南町新野に伝わる国重要無形民俗文化財「新野の雪祭り」が14日夕から15日朝にかけて、地元の伊豆神社境内で行われた。昨年11月に東京の国立劇場で雪祭りの公演が行われた効果もあってか、例年より多い100人以上が訪れ、夜を徹して披露された舞を間近で見物した。

 15日午前1時15分ごろ、地元の消防団員たちが同神社境内にある建物「庁屋」の壁を「ランジョウ、ランジョウ」と言いながらたたいて、舞い手の登場を催促。その後、高さ約5メートルのたいまつに火が付くと、柔和な面を付けた「幸法(さいほう)」が登場し、右手に松の枝、左手に田うちわを持って軽快な動きで舞った。幸法がすり足で後ろに下がりながら腰を深く落とすと、大勢の人がシャッターを切っていた。

 雪祭りを初めて見たという同郡下條村出身の大学生若林繁さん(20)は「次々と舞があって、見ていて飽きることがなく、面白かった」。保存会長の金田昭徳さん(73)=阿南町新野=は「国立劇場の公演があってか、例年より2割ほど人が増えていた。雪祭りを続けていく気持ちがさらに強くなった」と話した。

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