御嶽山の活動について記者会見する火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長(中央)ら=19日午後5時40分、気象庁

御嶽山の活動について記者会見する火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長(中央)ら=19日午後5時40分、気象庁

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御嶽山の規制、縮小決定 王滝のスキー場2月26日ごろ再開へ

信濃毎日新聞(2015年1月20日)

 御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の火山活動について、気象庁は19日、火口から半径4キロ圏内としてきた警戒の必要な範囲を3キロ圏内に縮小した。これを受け、山麓の木曽郡木曽町、王滝村、岐阜県下呂市、高山市の4市町村は同日、入山規制範囲をおおむね3キロ圏内に縮小すると決定。今季の営業を見合わせてきた王滝村のスキー場「おんたけ2240」は全体が範囲外となり、運営会社「御嶽リゾート」は2月26日ごろに営業開始を予定していると明らかにした。

 噴火後に入山規制範囲が設定されてから縮小は初めて。

 気象庁の判断は、火山噴火予知連絡会が19日、現状では昨年9月27日と同程度か上回る規模の噴火が発生する可能性は「低くなっている」との見解をまとめたことに基づく。予知連は、噴石は火口から2キロ、火砕流は火口南西側の地獄谷方向に2・5キロの範囲で警戒が必要とした。

 一方、予知連は、噴煙の高さや地震の発生頻度は噴火前の状態には戻っていないとし、「今後も小規模な噴火が発生する可能性がある」と指摘。気象庁は、噴火警戒レベル(5段階)は「3(入山規制)」を維持した。

 山麓の4市町村や県、国などでつくる御嶽山火山防災協議会は19日、木曽町で事務担当者の会合を開き、気象庁の方針に準じて入山規制範囲を縮小すると確認。新たな入山規制は「積雪期」と「雪解け後」に分けて設定した。

 積雪期は、おんたけ2240の営業期間中は同スキー場の範囲を緩和し、ほかの登山道、道路は現行通り規制する。雪解け後は登山道ごとに入山できる上限を決め、王滝村からの王滝口登山道は「田の原遥拝(ようはい)所」、木曽町からの黒沢口登山道は7合目の「行場山荘」などとした。同町からの開田口登山道は現行の規制を当面続ける。

 雪解け後の規制に移行する時期は、4市町村ごとに今後検討していくとした。

 王滝村の瀬戸普村長は19日夜、村役場で記者会見し、スキー場営業について「今後は利用客の安全確保を第一に、細心の注意を払いながら有事の際の対策に万全を講じていくことが重要と考えている」。同席した御嶽リゾートの栗屋文則総支配人は、営業再開までの約1カ月の間、施設の修繕や検査、救助訓練などに取り組むとし、「安全を確保した上で、営業を再開したい」と強調した。

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