最後の一滴を白身魚の表面に塗ったにぎりずし=糸魚川市横町5の「すし活」

最後の一滴を白身魚の表面に塗ったにぎりずし=糸魚川市横町5の「すし活」

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魚醤「最後の一滴」(糸魚川) 海洋高生、地元サケ活用

新潟日報(2015年1月22日)

 糸魚川市の海洋高校で生徒が開発した自慢の一品がある。地元のサケを丸ごと原料にした魚醤(ぎょしょう)「最後の一滴」だ。濃厚なうまみが特徴で、しょうゆのように使ってもよし、料理の隠し味として加えてもよしと評判を呼んでいる。

 地元の能生川に遡上(そじょう)するサケは、漁協がイクラを採った後、捨てられる。このため、同高生物資源研究部の生徒がサケをもっと有効利用しようと、2年前に開発した。

 サケは肉だけでなく、頭や内臓も余すところなく使う。商品名はサケが川に戻り最期を迎えることと、料理の最後に加えるとおいしくなることから名付けた。

 魚醤というと魚の臭みを敬遠する人もいるが、最後の一滴はクセが少なく、ほのかに魚の香りが広がる。顧問の松本将史教諭(36)は「臭みのもとは脂肪分だが、急流の能生川に戻るサケは下流域でも産卵準備に入っているのか、脂が少ない。臭みはなく、味はまろやか」と胸を張る。

 同市横町5のすし店「すし活」では客の希望を聞きながら、にぎりずしの身にさっと塗ったり漬けたりして提供する。主人の渡辺篤さん(60)は「口当たりが良い。しょうゆとは違う味わいがあり、それぞれ楽しめる」と太鼓判を押す。店でも売っており、気に入って買って帰る人もいるという。

 糸魚川市は北陸新幹線開業で交流人口拡大への期待が高まる。松本教諭は「最後の一滴は糸魚川の川で捕れるサケだから出せる味。他にはない魚醤を試してほしい」と話した。

 100ミリリットル入りの瓶で600円、200ミリリットルは千円(いずれも税込み)。能生小泊の道の駅マリンドリーム能生などで買える。海洋高では販売していないが、ホームページで最後の一滴を使ったレシピ集を紹介している。問い合わせは同高、025(566)3155。

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