だるま屋少女歌劇団員のブロマイド(拡大複製)のパネル展示=23日、福井市の県文書館

だるま屋少女歌劇団員のブロマイド(拡大複製)のパネル展示=23日、福井市の県文書館

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だるま屋少女歌劇 ブロマイドなど展示 県文書館

福井新聞(2015年1月25日)

 2月1日の福井県ふるさと文学館開館を記念して、同館の特別館長で福井市出身の芥川賞作家、津村節子さん(86)と昭和初期に活躍した「だるま屋少女歌劇」のミニ展示が、同市の県文書館で行われている。津村さんが幼いころ観劇した同歌劇のブロマイドやプログラムなど貴重な資料を展示。1930年代に街中の劇場で繰り広げられた、10代の少女たちの華やかな舞台を伝えている。2月25日まで。

 同歌劇は1931(昭和6)年、県内初の百貨店「だるま屋」の別館「コドモの国」のオープンに合わせて、だるま屋専属の歌劇部として誕生した。同年11月から36年7月の公演終了まで、県内の少女たち延べ30人が在籍。福井駅前にあった別館内の劇場で毎夜、時代劇やミュージカルなど多彩な舞台を上演したという。

 少女歌劇に関する展示は、歌劇部3期生だった故高田富さん(芸名・霞浦子)が収集し、同文書館に寄贈した資料。1~5期生28人のブロマイドとプログラムの実物5点を展示している。ブロマイドは一部サイン入りで、ドレスや着物、男役のタキシードなど舞台衣装を着た劇団員たちが大人びた雰囲気を醸し出している。

 約50点のプログラムを収めた複製本も展示する。月替わりの公演の演目や配役のほか、ファンの感想が掲載されている。お気に入りの劇団員を「コスモスの花の精よ」と称賛する声などもあり、熱い支持を得ていたことがうかがえる。

 津村さん関連では、父親と姉妹で撮った小学時代の写真と、随筆集「花時計」で少女歌劇の思い出に触れた文章の一部を紹介している。津村さんは幼少のころ母親に連れられ、毎月のように劇場に足を運び、椿(つばき)姫や三銃士などの歌劇から忠臣蔵や北ノ庄落城といった時代劇まで、幅広いジャンルの舞台を見たとつづっている。

 ブロマイドの拡大複製や舞台の様子を伝える写真パネルの展示もあり、訪れた福井市の男性(27)は「少女歌劇の出演者は若いが役者のオーラを感じる。一度は見てみたかった」と話していた。

 ふるさと文学館は、福井市の県立図書館内のコーナーの一部を改修して整備。津村、中野重治、高見順、水上勉、三好達治の各氏をはじめ福井ゆかりの作家約30人の資料などを展示する。

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