敷地内の雪を集め、雪中貯蔵酒のタンクを埋める高の井酒造の社員=29日、小千谷市東栄3

敷地内の雪を集め、雪中貯蔵酒のタンクを埋める高の井酒造の社員=29日、小千谷市東栄3

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「雪の恵み」酒まろやか 小千谷で仕込み

新潟日報(2015年2月2日)

 小千谷市の高の井酒造で29日、新酒が入ったステンレス製タンクを雪に埋め込む恒例の「雪中貯蔵酒」の仕込み作業が行われた。酒は100日間、巨大な雪山の中で熟成され、4月下旬から全国に出荷。5月中旬には酒をお披露目する「雪中祭」を同社庭園で開く予定だ。

 雪中貯蔵酒造りは、雪の中で野菜を保存すると味がまろやかになることにヒントを得て、1987年から始めた。

 今回仕込んだのは、純米吟醸約1万リットルと大吟醸約6千リットル。平均気温0度、湿度100%、空気対流ゼロの環境に長期間置くことで、新酒のさわやかな香りは保ちつつ、まろやかな独特の風味に熟成されるという。

 タンクを囲む雪山は高さ約5メートル、雪の総重量は500トンほど。この日の作業では、社員らが工場の屋根からの落雪を除雪機やスコップでかき集め、タンクを埋めていった。

 今回は出荷が需要期の5月の大型連休に間に合うよう、仕込み作業を初めて1カ月前倒しした。杵渕克哉製造部長(51)は「多くの人たちに『雪の恵み』を楽しんでいただければ」と話した。

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