金沢市のしいのき迎賓館周辺に今春、新たな「桜の名所」が誕生する。石川県は3日、しいのき緑地でシダレザクラを植栽した。ヤマザクラと合わせ、今月上旬に計17本を植えて中心部を彩り、北陸新幹線で訪れる大勢の観光客をもてなす。広坂通りの桜並木とともに、県都のシンボルになる景観をつくる。
サクラは、しいのき緑地に13本、金沢広坂合同庁舎側の緑地に4本を植える。観桜期には、広坂通りの辰巳用水沿いにあるソメイヨシノの桜並木にアクセントを加え、兼六園と中心街を桜の帯でつなぐ。
県は金沢市在住の諸江賢二さん(86)から緑化推進費として寄付された1500万円のうち、1千万円を活用した。
県公園緑地課によると、諸江さんは衣料品スーパー「いとはん」創業者で、旧北陸ジャスコ社長も務めた。これまで世話になったふるさとに感謝を込め、県民や観光客の憩いの場になる桜の名所をつくりたいと申し出があり、県が植栽することにした。
シダレザクラとヤマザクラは高さ5~8メートルで、4月中旬には見ごろを迎える。県公園緑地課は「新幹線に乗ってくる観光客を華やかに出迎えたい」と話した。