JR金沢駅で停車する富山行きサンダーバード。金沢開業後は乗り換えが必要になる。(右上は敦賀開業後の乗り換え問題で福井県に要望する市民団体)=コラージュ

JR金沢駅で停車する富山行きサンダーバード。金沢開業後は乗り換えが必要になる。(右上は敦賀開業後の乗り換え問題で福井県に要望する市民団体)=コラージュ

福井県 北陸新幹線

乗り換え不便、改善を 敦賀開業後も課題に 北陸へ延びるレール(3) 県民の足(上) 特急編

福井新聞(2015年2月18日)

 北陸新幹線の金沢開業で県内の在来線にどんな影響があるのか。JR北陸線の特急は金沢以東が廃止され、金沢発着が基本となる。特急の運行本数は維持されたが、削減への懸念は残ったまま。加えて新幹線と特急の「乗り換え」の利便性も大きな課題だ。敦賀まで延伸した場合、同じ問題に直面することになる。

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 JR西日本は金沢開業後も特急サンダーバード、しらさぎの運行本数を維持し、車両数を9両、6両にそれぞれ統一。維持を求めていた福井県関係者はひとまず安どした。

 ただ12月発表されたダイヤで東京―金沢を最速で結ぶ「かがやき」に接続する特急のうち、上下線計7本は乗り換え待ち時間が42~59分。福井から米原回りで東海道新幹線と接続する場合の待ち時間がほぼ十数分内に収まっているのに比べると、不便だ。

 朝晩に福井―金沢を3往復する特急ダイナスターは運行するものの、金沢の始発と東京発最終の北陸新幹線に接続しない。福井市の会社員男性(44)は「日帰り出張が多いので最終の接続がないのは困る」と不満を漏らす。観光客らに福井まで足を延ばしてもらうためにも利便性は欠かせず、県は1月、全てのかがやきとスムーズに乗り継ぎできるダイヤ改善などをJR西に要望した。

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 富山の場合だと、関西、中京方面と行き来する際に金沢で乗り換えが生じる。新幹線の着工条件である並行在来線のJRの経営分離に同意していた富山県だが、利便性低下を懸念し、JR西に特急の乗り入れ継続を要望。JR西は昨夏、▽富山―金沢のシャトル新幹線「つるぎ」の全列車を新高岡に停車▽早朝に長野―金沢の新幹線「はくたか」を導入して県東部から金沢への足を確保―などの対案を示し、特急廃止で決着した。

 大阪までは乗り継ぎありで時間、料金とも従来とほぼ同じだが、東京とは最短2時間8分で結ばれるため富山の首都圏志向が強まり、サンダーバードなどの利用減も予想される。NPO法人ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBA)の清水省吾事務局長は「特急の利用が減ると福井が割を食う。本数が減る可能性はある」と影響を心配する。

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 乗り換えは工期が短縮され2023年春ごろになる敦賀開業でも生じる。新幹線と在来線を行き来できるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の開発が間に合わず、特急は敦賀発着となる見通し。例えば福井から現在、特急で直通の関西、中京方面へは新幹線と特急を乗り継ぐ必要が出てくる。

 しかも敦賀の現計画の新幹線駅は地上24メートルの高さで在来線から約200メートル離れ、移動に時間がかかる。このため市民団体の北陸新幹線福井延伸と在来線を考える会は、特急の福井乗り入れ継続を求めている。特急が止まる鯖江、武生駅利用者にも同様の声がある。

 福井県は特急乗り入れの要望こそ行わないとしているが、「敦賀乗り換えの利便性を高めるためにはどこまでも要求していく」(県幹部)と強調。特急の停車位置を新幹線ホームに近づけるなどの対応を国、JRに求めている。

 考える会の橋川洋事務局長は「新幹線の早期延伸に力を入れるあまり県民の足の利便性が損なわれては本末転倒。開業3年前倒しを提案した県は、乗り換え問題も主体性を持って対応すべきだ」と注文をつけた。

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