金沢―敦賀の開業3年前倒し決定を受けて開かれた県北陸新幹線建設促進同盟会の臨時理事会。福井駅先行開業を求める声も多かった=1月15日、福井市の県国際交流会館

金沢―敦賀の開業3年前倒し決定を受けて開かれた県北陸新幹線建設促進同盟会の臨時理事会。福井駅先行開業を求める声も多かった=1月15日、福井市の県国際交流会館

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北陸新幹線の福井駅先行開業論 経済界から要望強く 課題山積 県は慎重姿勢 北陸へ延びるレール(5)

福井新聞(2015年2月20日)

 北陸新幹線金沢―敦賀の開業3年前倒しが決まった翌日の1月15日、福井県内自治体や経済界でつくる北陸新幹線建設促進同盟会の臨時理事会が、福井市で開かれた。工期短縮を国に提案していた県にとっては、自らの案が受け入れられたことを報告する「晴れの舞台」になるはずだった。

 ところが、多くの沿線自治体の首長から出たのは、3年前倒しのさらに先を行く「福井駅先行開業」を求める声だった。
 越前市の奈良俊幸市長は、過去に石川県小松―南越(越前市)の工事実施計画認可申請が行われたことに触れ「(車両基地を設ける予定だった)南越駅の位置付けを確認した上での、先行開業議論を期待したい」と踏み込んだ。仮に福井先行開業になれば、近くに車両基地が必要になるとみて、南越まで先行できればとの思惑もにじんだ。

 県の幹部は「与党の議論をじっくり見守りたい」と答えるのが精いっぱいだった。

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 福井先行開業をめぐっては"政治新幹線"の様相を呈している。昨年11月、政府・与党ワーキンググループ(WG)の会合で、石川県の参院議員から「東京五輪をにらんで2020年度中の先行開業を検討すべき」との意見が突然飛び出し、年末の衆院選では自民党の稲田朋美政調会長が公約に「先行開業を目指す」と明記。選挙後は稲田会長が与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の座長に就いた。

 結局、1月の政府・与党の合意文書には先行開業を与党内で夏までに検討することが盛り込まれた。ある関係者は、この間の動きを「用意周到な力業」と表現した。

 昨年12月24日に福井商工会議所、県経営者協会とともに緊急アピールを発表した福井経済同友会の八木誠一郎代表幹事は「稲田政調会長がPT座長の今こそ、千載一遇のチャンス」と話す。

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 ただ、新たな車両基地整備、用地買収、並行在来線の第三セクターの準備、さらなる工期短縮など課題は多く、県は慎重な姿勢だ。短期間で課題をクリアするのは難しいとの見方もある。

 複数の経済関係者は「県だって早くつながる方がいいに決まっている。しかし積極的な発言をしてしまうと、実現できない場合に責任が降りかかってくるからでは」と分析する。

 県をけん制するように、自民党県連は知事選の推薦決定に際して、福井先行開業に向け全力を尽くすことを盛り込んだ政策協定を西川知事と結んだ。山本拓会長は「市町などと連携し、スピード感を持って用地買収などに全力を挙げてほしい」と、県側の姿勢に注文を付ける。

 一方、先行開業の実現には石川県との連携が不可欠との指摘は多い。金沢駅から福井駅までの区間は約76キロあり、このうち石川県エリアが67・5%を占める。北陸経済連合会の永原功会長は年頭会見で「両県が束になってやれば、夏までに課題を解決できるのでは」と奮起を促した。

 福井経済同友会は5年後の先行開業をにらみ、県庁と福井市役所の移転、跡地活用に関する提言の準備を進める。八木代表幹事は「これ以上、金沢や富山との格差を増長してはならない。先行開業とともに、魅力ある地域づくりも並行して取り組む必要がある。これからが本番だ」と気を引き締める。

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