五箇山和紙や竹ひごを使い、昔ながらの行灯を作る上平地域の住民たち

五箇山和紙や竹ひごを使い、昔ながらの行灯を作る上平地域の住民たち

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手作り行灯でおもてなし 新幹線客に上平住民

北日本新聞(2015年2月27日)

 南砺市上平地域の住民有志が竹ひごや五箇山和紙を使い、昔ながらの行灯(あんどん)を作っている。26日は五箇山合掌の里(同市菅沼)の合掌造り家屋「竹原家」で作業した。北陸新幹線開業日の3月14日、ライトアップされた世界文化遺産・菅沼合掌造り集落を訪れる首都圏からのツアー客に使ってもらう。住民たちは「ぬくもりある手作り作品でもてなしたい」と張り切る。

 先人の知恵や技術の伝承に取り組む上平地域世界遺産合掌造り集落の推進協議会(西敬一会長)の活動として、1月下旬から作業を始めた。小林亀清さん(85)、道端良雄さん(81)=いずれも楮、酒井眞照さん(66)=皆葎=と地域おこし協力隊員の渡邉麻衣さん(28)が中心となって製作に励んでいる。

 合掌の里に残る昔の行灯を参考に、ろうそく形LED(発光ダイオード)灯以外は既製品を使わず、五箇山の自然にあったり、昔から使われている素材にこだわって作る。

 長さ約90センチの竹ひご2本を曲げてドーム形に組み、四方に和紙を貼った。天井部は間伐材の杉板を用い、持ち手の棒は和紙の原料となるコウゾの枝を活用。ご飯を練ったのりで和紙を貼り、麻でなった縄で持ち手を結んだ。竹や杉板の接合も接着剤に頼らず、細工した竹串を使うなど昔ながらの作り方にならっている。

 開業日は市主催のツアーで30人が菅沼集落を訪れる予定。展望駐車場から集落までの暗い夜道を歩く際に持ってもらう。酒井さんは「自然を生かす五箇山の知恵をつぎこんだ。昔ながらの技は財産で、将来に残していくため土産品として作り続けることも検討したい」と話している。

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