若狭地方に春の訪れを告げる伝統行事「お水送り」が2日、福井県小浜市神宮寺の若狭神宮寺や同市下根来の「鵜(う)の瀬」周辺で営まれた。たいまつや護摩壇(ごまだん)の炎が闇夜を幻想的に照らす中、遠敷川に香水(こうずい)が注がれた。
鵜の瀬から流れた香水は遠敷川を通じて、修二会(しゅにえ)(お水取り)と呼ばれる修行が行われている奈良・東大寺の二月堂前の井戸「若狭井」に届くといわれる。
午後7時半すぎ、若狭神宮寺境内の大護摩から火を移したたいまつを持った行列が出発。約1・8キロ先の鵜の瀬にかけ"炎の線"ができた。
山河尊聖(そんじょう)住職らが遠敷川の対岸に渡り、送水神事が厳かに営まれた。香水が注がれると、大勢の観光客らから歓声が上がった。