格子状に竹を組んだ小舞に、練り直した土を塗っていく左官職人=城端別院善徳寺

格子状に竹を組んだ小舞に、練り直した土を塗っていく左官職人=城端別院善徳寺

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伝統工法で壁塗り開始 城端・善徳寺保存修理

北日本新聞(2015年3月17日)

 「平成の大修理」と呼ばれる大規模な保存修理・震災対策事業が進められている南砺市城端の城端別院善徳寺(梅原專從輪番)で16日、本堂の土壁塗りが始まった。はがした従来の古い壁の土を練り直して再利用。小舞(こまい)と呼ばれる竹を縄で格子状に組んだ下地に塗り込んでいく伝統工法で行う。最後は漆喰(しっくい)を塗り、美しい白壁をよみがえらせる。

 保存修理事業では新たに見つかった絵図などを基に本堂を幕末の頃の姿に復元することを目指している。

 下地の小舞は傷んだ部分だけを修復し、従来のものを使う。塗る土は古い壁土に地元の新しい土と水、つなぎのわらを加え、昔ながらに素足で踏みながら練っている。

 この日は屋根下の妻の部分の外壁から作業を始め、左官職人4人がこてを使って丁寧に小舞に土を塗り込んだ。

 5月までに外壁、内壁ともに土を塗り直し、6月から漆喰塗りを始める。修復した本堂で10月7~11日に親鸞聖人750回御遠忌法要が営まれる予定で、8月いっぱいまでの仕上がりを目指す。

 保存修理の設計監理を担当する山本博之一級建築事務所(石川県小松市)の寺西建範技師は「冬は塗った土が凍るので作業ができなかったが、ようやく春らしくなって壁塗りを始めることができた。修復工事は、いよいよこれから忙しくなるが滞りなくやりたい」と話している。

 

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