大町温泉郷の「破砕ロック」をPRする実行委メンバー

大町温泉郷の「破砕ロック」をPRする実行委メンバー

長野県 白馬・安曇野

黒部ダム作業員が愛飲「破砕ロック」 大町温泉郷の全館で提供へ

信濃毎日新聞(2015年3月27日)

 大町市平の大町温泉郷の旅館やホテルでつくる同温泉郷50周年事業実行委員会は26日、実行委が独自に開発した酒「破砕ロック」の提供を、全14館で4月1日から始めると発表した。破砕ロックはワインに焼酎を混ぜた酒で、黒部ダム建設の作業員に愛された。宿泊客に世紀の大事業にまつわる味を楽しんでもらうことで、温泉郷の魅力を高めていく狙いだ。

 1956(昭和31)年に着工したダム建設には、63年の完成までに延べ1千万人以上が携わったという。作業員たちは、大町の繁華街などで「安くて手軽に酔える酒」として破砕ロックを愛飲。名称は、噴き出す大量の水と土砂で一番の難工事となった破砕帯にちなむ。工事後、提供する飲食店は減ったが、2013年から大町商工会議所などの呼び掛けで復刻の動きが広がり、現在は市内の飲食店24店がそれぞれの味で提供している。

 元祖の破砕ロックは白ワインを使うが、実行委は「女性でも飲みやすい味」にこだわり、香りの強い赤ワインを基にアルコール度数を低めに抑えた。旅館、ホテルでは食前酒として使う。

 宿泊客への提供が主だが、酒類販売業の免許を持つ2館では、500ミリリットル1620円で一般向けに販売する。実行委の遠藤美湖(よしこ)委員長(40)は、「全旅館共通で同じ飲料を提供するのは初めて。破砕ロックの物語性を統一的にPRし、魅力を高めたい」と話していた。

 また、4月25日から5月6日まで約600本の桜が咲く温泉郷で「さくら祭り」を開くことも発表。6日は、当日入浴券や豚肉の炭火焼きなどの振る舞いもある。

 破砕ロックとさくら祭りの問い合わせは、大町温泉郷観光協会(電話0261・22・3038)へ。

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