大改修を終え、5日に一般公開される渡辺邸=関川村

大改修を終え、5日に一般公開される渡辺邸=関川村

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「平成の大修理」完了、5日から公開 「渡辺邸」村活性化の源に 若手イベントの場 道の駅と一体活用

新潟日報(2015年4月3日)


 関川村の国指定重要文化財「渡辺邸」で2009年から行われてきた「平成の大修理」が完了し、5日から一般公開が始まる。昭和初期以来の大改修を終えた渡辺邸を観光の柱にしようと、村や村民はイベントや周辺施設との連携などを展開する予定だ。改修前から年々減少していた入館者を増やし、村全体の観光客増につなげるため知恵を絞っている。

 渡辺邸は、米沢街道の要衝だった関川村で財を築いた豪農の館で、現在の母屋は1817年に建てられた。1964年の新潟地震や67年の羽越水害、近年のシロアリ被害などで館の老朽化が目立ち、大規模な修理工事が6年かけて行われた。

 渡辺邸を管理する渡辺家保存会は、2015年度の目標入館者数を2万人としている。大改修が始まる直前の08年度の入館者数は1万6645人だった。NHKドラマ「蔵」のロケ地に使われた1995年度は約7万人の観光客が訪れたが、以後減少傾向で、06年度を最後に2万人を超えていない。

 保存会の池田康事務局長(58)は「館内見学だけでなく、演奏会やイベントなどで使ってもらえる開かれた場にすることが重要だ」と話す。新たに新座敷など4部屋を会議や茶会といった会合に貸し出す予定で、古建築の専門家の講演会も計画している。結婚式会場として使いたいとの問い合わせもあるという。

 渡辺邸でのイベント企画を通じて若い村民らの人材育成につなげたいとするのは、4、5日に開くこけら落とし公演の発起人、田村優子さん(44)だ。公演の日程や客誘導などを20~30代中心の村民に一部任せ、準備を進めてきた。田村さんは「渡辺邸は敷居が高い場所と思われがちだが、公演を足掛かりに若い村民が、村を盛り上げる催し物の拠点として使ってくれるといい」と願っている。

 観光客を渡辺邸へ向かわせるために周辺環境の整備を求める意見もある。米沢街道地域づくり検討会の米野紀男会長(71)は、年間約15万人が利用する、渡辺邸近くの温泉施設「ゆ~む」や、広域の観光客が訪れる道の駅を、館と一体的に活用する必要性を強調する。「分かりやすい案内看板を立ててまず渡辺邸の場所を知ってもらうべきだ。常駐の観光ガイドを養成し、温泉上がりの客を呼んで案内できるといい」と語る。

 村は、観光客の流れを渡辺邸に振り向けることを課題とする。周辺にある古い町並みの空き店舗を活用して売店を開いたり、黒塗りの格子などで家や店の外観を統一したりする案を検討している。平田大六村長は「渡辺邸は村の観光の大事な顔。米沢街道の歴史をテーマにした催し物など、客を積極的に呼び込む活用を期待したい」と話している。

◎ 4、5日こけら落とし公演

 5日から始まる渡辺邸の一般公開は午前9時~午後4時で、入館料は一般600円、小中学生250円。

 こけら落とし公演は4、5の両日、開かれる。4日は渡辺邸で午後3時から、影絵芝居と、しの笛奏者の狩野泰一さん、和太鼓奏者の金子竜太郎さん、田村佑介さんによる演奏会が開かれる。チケットは完売したが、周辺では午後5時から、約500本の竹灯籠を点灯する。

 5日は村民会館で午後1時半から和楽器の演奏会やよさこいソーラン、盆踊り大会がある。飲食の露店も出る。チケットの半券で渡辺邸を無料見学できる。前売りは一般2千円、高校生千円。当日はそれぞれ500円増し。

 問い合わせは渡辺家保存会事務局、0254(64)1002。

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