長野市内の企業経営者らでつくるＮＰＯ法人長野都市経営研究所（長野市）は、善光寺周辺の回遊を促そうと、ガイドブック「善光寺ゆかり、隠れたるパワースポットめぐり」を作成した。「善光寺参拝ご利益倍増」と銘打ち、善光寺ゆかりの神社を巡るなどの５コースを設定。観光客の滞在時間延長につなげるほか、市民にも隠れた魅力を知ってもらい、地元への愛着を深めてもらう狙いだ。

　北陸新幹線（長野経由）金沢延伸や、５月末までの善光寺御開帳を機に地域の新たな魅力を発掘し、観光客や市民に楽しんでもらおうと、善光寺とゆかりの深いパワースポットを独自に選んだ。前回２００９年の御開帳では、参拝者の滞在時間について３時間未満が６割を占めたとの調査結果から、滞在時間を延ばす取り組みとして昨年３月から会員たちで議論し、１年がかりでまとめた。

　ガイドブックでは、多様なニーズに応えようと五つのコースを用意。「善光寺三鎮守参拝コース」は、善光寺の開祖・本田善光の墓がある湯福（ゆぶく）神社など三つの神社を２時間かけて巡る。「善光寺平恋愛成就ドライブコース」は、小布施町や長野市郊外にある縁結びなどの御利益のある寺社を車で訪れる。

　スマートフォンを使って道案内や各スポットの情報を閲覧できるＡＲ（拡張現実）機能を導入。観光に生かすアンケートに答えた人には、抽選で仏画をあしらったバッグを贈る。

　ガイドブックは今後も見直す考えで、同研究所理事で企画を担当する夏目潔さん（６３）は「自分たちの宝物を探す感覚で、市民の皆さんにも地元のいいものを発掘してほしい」と呼び掛けている。

　ガイドブックはＡ５判、１６ページで３万部作成。長野市内の観光情報センターや宿泊施設、タクシーやレンタカーの会社、善光寺周辺の商店などに配った。問い合わせは、長野都市経営研究所（電話０２６・２３５・７９１１）へ。