厨子の中の本尊(正面)と前立本尊(右)を前に行われた開闢法要

厨子の中の本尊(正面)と前立本尊(右)を前に行われた開闢法要

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本尊秘仏「穏やかな顔」 伊那の仲仙寺で御開帳

信濃毎日新聞(2015年4月19日)

 伊那市西箕輪羽広の古刹(こさつ)、仲仙寺(ちゅうせんじ)で18日、本尊秘仏「十一面観世音菩薩(ぼさつ)像」の御開帳が始まった。本来は60年に1度で次回は2031年だが、開創1200年を記念し、本尊に似せた「前立本尊」と共に特別公開。檀家(だんか)や参拝客は、静かなまなざしの本尊と向き合ったり、本尊の右手と回向(えこう)柱をつなぐ5色の「善の綱」に触れたりして縁を結んだ。

 師田香雪(もろたこうせつ)住職(67)によると、仲仙寺は平安時代の816(弘仁7)年、慈覚大師円仁(えんにん)が霊木を得て本尊を彫り、安置したのが始まりと伝わる。「馬の観音様」と親しまれ、農家が農馬の健康などを願った。江戸後期に彫られた前立本尊の御開帳は約40年ぶりという。

 この日は例年の大般若会に合わせ、開闢(かいびゃく)法要が行われた。本尊が納まる厨子(ずし)の扉を開け、上下伊那地方の天台宗寺院の住職12人が全600巻の大般若経の教本を流すように開いて「転読」。厳かな空気に包まれた。

 本堂では市指定文化財「羽広獅子舞」の雌雄の舞い合わせもあった。笛を担当した同市西箕輪中学校2年の唐沢雅和(あお)君(13)は「(御開帳という)良い時に吹けた」。父の正志さん(55)は本尊を拝み、「穏やかな顔で、地域を守ってくれていると思った」と話した。同市富県の伊藤成子さん(65)も「きれいなお顔。健康に暮らせるよう願った」とし、回向柱に触れた。

 5月8日までの午前9時〜午後5時。内陣参拝料は300円(高校生以下無料)で、御札が付く。本尊の写真や絵図などの寺宝展も開催中。

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