アルプスシャツが開発中のイスラム教徒向け弁当。豚肉などを使っていない

アルプスシャツが開発中のイスラム教徒向け弁当。豚肉などを使っていない

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ムスリム誘客、松本・大北の異業種連携 第1弾は食事メニュー開発

信濃毎日新聞(2015年4月22日)

 松本、大北地方の観光関連業者が連携し、イスラム教徒(ムスリム)の誘客に乗り出す。戒律で食べるのを禁じられた豚肉やアルコールを排除した「ムスリムフレンドリー」な食事メニューを共同で開発。食品製造、宿泊施設、旅行会社などの異業種が協力して、ムスリムを呼び込む仕組みや情報発信の仕方を研究する。経済成長に伴い訪日客増加が見込まれる東南アジアからの誘客を目指す。開発したムスリム向けメニューの試食会を5月に開く。

 松本地方でレストランを展開するアルプスシャツ(松本市)、2012年からムスリム誘客に取り組む白馬五竜観光協会(北安曇郡白馬村)など8企業・団体が参加し、2月に研究会「ムスリムフレンドリーながの」を結成した。農家や卸業者の会員も募り、地元の食材を使ったメニュー開発や観光資源を生かした旅行商品づくりを検討する。

 手始めにアルプスシャツが豚肉やアルコールを使わない和食弁当や洋風弁当、カレーなどのムスリム向けメニューを開発中。松本市内で5月に試食会を開き、ムスリム誘客に興味のある企業に研究会への参加を呼び掛ける。5月中にもホームページを開設し、活動を紹介しながら情報発信のノウハウを蓄積する。

 研究会には、松本東急REIホテル(松本市)、旅行大手のJTB中部松本支店(同)なども参加。イスラム教の戒律に従って製造・処理された食品「ハラル」を導入する国内企業や、イスラム教徒が多いマレーシアで回転ずしチェーンを展開する日系企業の視察も計画している。

 研究会代表に就いたアルプスシャツの渡辺聡社長は「ムスリム誘客を一つの切り口にさまざまな業種が連携し、それぞれの得意分野を生かして観光で地域を活性化するチームをつくりたい」と話す。新開発メニューの試食会は5月12日午前11時から松本商工会館で開く。問い合わせは同社内の研究会事務局(電話0263・50・5514)へ。

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