浄土真宗中興の祖、蓮如上人の肖像画「御影(ごえい)」を京都市の東本願寺から運ぶ御影道中の一行が23日夜、福井県あわら市吉崎地区に到着し、上人の遺徳をしのぶ「蓮如忌」が始まった。5月2日までの10日間、集落内の東西両別院で毎日、法要が営まれる。
御影道中は江戸時代に始まったとされ、今年で342回目。一行は17日に東本願寺を出発し、蓮如上人が歩いたとされる約240キロを徒歩で運んできた。吉崎には午後7時半ごろ到着した。
集落の入り口では、大小の提灯(ちょうちん)を手にした住民らが一行を出迎えた。男衆12人が担ぐみこしに御影を乗せ替えた後、「蓮如上人さま、吉崎にお着き」と声を掛けながら集落内を練り歩いた。
吉崎東別院では太鼓や鐘の音が響く中、提灯で照らされた参道の大階段を、みこしを担いだ男衆が力強く駆け上がった。見守った門徒らからは「蓮如さん、お帰りなさい」などと歓声が起こった。
本堂で御影の巻物を広げる「お腰延べの儀」が行われ、法要が始まった。一行は5月2日朝に東本願寺へ向けて出発する。