日本海と松本平を結ぶ交易の道として栄えた旧千国(ちくに)街道を長野県北安曇郡小谷村から同郡白馬村を経て大町市まで歩く「塩の道祭り」が3日、3日間の日程で始まった。昔の風情が残る小谷村の林道などを歩く初日は、県内外から約4千人が参加。新緑に包まれた風景に春のぬくもりを感じながら約9キロの道中を楽しんだ。
かさをかぶり、わらで作った袋「かます」を背負った歩荷(ぼっか)姿の参加者らは、小谷村の下里瀬(くだりせ)を午前9時ごろに出発。阿弥陀堂や牛方(うしかた)宿など旧跡をたどり、栂池高原を目指した。途中、村民らが漬物を振る舞ったり和太鼓を演奏したりして歓迎した。
大津市からバスツアーで初参加した栗元征男さん(73)は、4日は白馬村、5日は大町市を歩く全日程に参加する予定という。「自然が残り、空気がきれいで気持ちがいい。自分のペースでゆっくりと歩きたい」と話した。