北安曇郡小谷村で自然環境を生かした地域の活性化を目指す「おたり自然学校」は17日、塩や海産物などを運ぶ交易路として栄えた村内の道を歩く「おたり塩の道トレイル踏破ツアー」を始める。初回は牛方宿など史跡をめぐりながら約7キロをたどるコース。11月までに予定する全8回に参加すれば、約73キロの全行程を完歩できる。
村の地域おこし協力隊員として自然学校を発足させた大日方冬樹さん(27)=千曲市出身=が企画。松本平と日本海を結ぶ塩の道約120キロを6日かけて歩いた経験があり、「史跡や石仏、池など昔の姿が残された小谷村が一番歩き応えがあった」と言う。
17日は栂池高原の松沢口を出発。未舗装の小道などを約4時間歩き、村郷土館を目指す。「おたり塩の道の会」の会員が案内役を務める。
昨年11月の県北部を震源とする地震では、中土地区にある大日方さんの自宅も一部損壊。約10日間の避難所生活を経て村営住宅に移り、今も安全面の問題から自宅に戻れないでいる。大日方さんは「よそから来た自分には想像できないつらさを地元の人は感じていると思う。村が元気を取り戻すきっかけをつくりたい」と意気込んでいる。
参加費は1人5千円(弁当代、保険料など含む)。申し込みは大日方さん(電話090・3558・6566)へ。