長野市松代町でこのほど、武家屋敷の庭を巡るイベント「お庭拝見」があった。地元のNPO法人「夢空間松代のまちと心を育てる会」が歴史、文化的な観光資源を生かして地域を盛り上げようと毎年春、秋に開催。この日は、県内外から午前と午後の部に計約30人が参加した。
現在も子孫らが暮らす武家屋敷など十数カ所を訪問。ある屋敷では、同法人のガイドが、形が庭の奥に向かって細くなっている池を紹介。「勝ち草と呼ばれる、縁起のいい『オモダカ』の葉の形を模している」と説明すると、参加者は「武家屋敷ならではの造りですね」と感心した様子だった。
ガイドは「庭の古い木の樹齢で庭が造られた年代を推測できる」「周辺の山や木を庭の風景に取り入れた『借景(しゃっけい)』も特徴の一つ」などと説明。同市篠ノ井の会社員、宮崎光雄さん(65)は「歴史ある庭の木や石に趣を感じた。管理は大変だと思うが、代々受け継いでいってほしい」と話していた。