中社から宝光社へ向かうご神体を載せたみこし

中社から宝光社へ向かうご神体を載せたみこし

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ご神体守り600人行列 戸隠神社式年大祭「還御の儀」

信濃毎日新聞(2015年5月25日)

 善光寺御開帳と同じ7年目に一度開く長野市戸隠の戸隠神社式年大祭は24日、終盤の中心行事「還御(かんぎょ)の儀」をした。父親の祭神に対面するため中社に約2週間滞在していた宝光社の祭神を同社に戻す神事。みこしが稚児や獅子神楽などの行列とともに、中社から宝光社まで約3キロを練り歩き、緑鮮やかな山里はにぎわいに包まれた。

 白装束姿の地元の男性60人余が、ご神体を載せた重さ約550キロのみこしを担いで中社を出発。稚児や神職、雅楽奏者ら約600人、全長約400メートルにわたる行列が続き、3時間余りかけて宝光社に到着した。ご神体をみこしから社殿へ戻すと、見守る参拝客らから大きな拍手が起きた。

 「地域一体の盛大な祭り。歴史を受け継ぐ熱意を感じた」と友人ら11人で訪れた奈良県平群(へぐり)町の西藤一雄さん(67)。この日の夜は戸隠の宿坊に泊まるといい、翌日の善光寺参拝も楽しみにしていた。

 今回は、1985(昭和60)年を最後に使わなくなっていた江戸時代のみこしを30年ぶりに補修して担いだ。みこしの音頭取りをした原山久美さん(69)は「無事に終えることができて感無量。古くから続く歴史や信仰を大切にしていきたい」と語った。

 式年大祭は26日、明治の廃仏毀釈(きしゃく)で各地に散らばり、期間中、宝光社に「里帰り」していた仏像の離山式を行い、1カ月間の日程を終える。

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