糸魚川市小滝で発見され、国内で産出されることを証明したヒスイ(手前)=24日、糸魚川市

糸魚川市小滝で発見され、国内で産出されることを証明したヒスイ(手前)=24日、糸魚川市

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歴史変えたヒスイ初公開 日本での産出証明 80年ぶりの"再発見" 糸魚川

新潟日報(2015年5月25日)

 1938(昭和13)年に糸魚川市小滝の小滝川支流で見つかり、日本でヒスイが採れることを証明したヒスイが24日、糸魚川市のフォッサマグナミュージアムで初めて公開された。発見から約80年間、行方が分からなかったが、発見者の遺族が所有していたことが分かり、寄贈された。同ミュージアムは「歴史を変えたヒスイ」として常設展示する。

 ヒスイは淡い緑色で、幅8センチ、高さ8センチ、奥行き7センチ、重さ560グラム。一部に川の流れで磨かれた滑らかな面が残る。

 旧小滝村(現糸魚川市)の農家伊藤栄蔵氏が38年8月、小滝川支流の土倉沢の滝でヒスイ探しをしていて採取した。日本ではヒスイは採れないという見方を覆した重要な発見だった。

 しかし、その後は行方が分からず、専門家の間では「謎」とされていた。ことし3月にミュージアムがリニューアルされ、4月には伊藤氏の孫の正義さん(73)=糸魚川市大野=が来館し、所有していることが判明。5月18日に市教育委員会に寄贈された。

 「歴史を変えたヒスイ」はミュージアムの目玉として展示室の1番手前に展示された。来館者は美しいヒスイの断面部分を注意深く見たり、写真に収めたりしていた。

 長野県諏訪市から訪れた藤森憲一さん(67)は「日本にヒスイがあるということを証明したすごい発見。ロマンを感じますね」と話した。

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