補修が終わった壁の仕上がりを確かめる山田さん

補修が終わった壁の仕上がりを確かめる山田さん

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小谷の老舗旅館、宿泊再開 21代目主人「歴史守りたい」

信濃毎日新聞(2015年5月30日)

 江戸時代に創業した小谷村中土の温泉旅館「山田旅館」は、昨年11月22日の県北部を震源とする地震の影響で制限していた宿泊客の受け入れをこのほど再開した。国の登録有形文化財に指定されている建物の壁にひびが入るなどの被害が出たため、この冬は日帰り入浴の営業を続けながら補修に専念していた。21代目主人の山田誠司さん(49)は「再出発の機会だと捉え、快適に過ごしてもらえる環境を整えていきたい」と決意を新たにしている。

 1555(弘治元)年に見つかったとされる源泉を引く山田旅館。小谷温泉で最も長い歴史があり、積雪が多い冬場も休まず営業してきた。江戸時代に建てた本館、1914(大正3)年建築の新館、敷地内にある土蔵など計6棟が文化財になっている。

 地震では、両館の土壁に亀裂が入り、窓ガラスが割れた。宿泊客28人に幸いけがはなく、濁りが出た温泉も数日で元通りに戻った。ただ、補修に専念するため、既に予約が入っていた年末年始の営業は断念を余儀なくされた。

 補修は、客室の畳の張り替えや壁の修繕を優先して進めた。4月下旬、雪解け後の本格的な観光シーズンの到来を前に、再開にこぎ着けた。5月の大型連休には早速、古くからの常連客が訪れたという。山田さんは「完全に元通りに直すには時間がかかるが、変わらず温泉を利用してもらえることがうれしい。昔からの歴史を守り、大切に残していきたい」と話している。

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