寺町商家での「ワンデイシェフ」で料理を提供する山下さん(中央)

寺町商家での「ワンデイシェフ」で料理を提供する山下さん(中央)

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入魂の一皿、景観の隠し味 松代の寺町商家、限定料理好評

信濃毎日新聞(2015年5月30日)

 長野市松代町松代の市指定有形文化財「寺町商家(旧金箱家住宅)」で4月に始まった、希望者が建物内で料理を作って提供する「ワンデイシェフ」(日替わりシェフ)が好評だ。歴史的景観を生かしたレストランで、市内の3組が料理の腕を振るっている。訪れた客は、松代独特の屋敷の池と池をつなぐ「泉水路」のある庭園を眺めながら、1日限定の献立を楽しめる。

 寺町商家は、木造一部2階建ての主屋(おく)(母屋)や3棟の蔵などが残る幕末〜昭和初期の建築。まちづくりに生かそうと市が改修して4月、交流施設としてオープンした。台所を設け、主屋の座敷は20人分の机と椅子を並べた飲食場所として、ワンデイシェフ希望者に貸し出している。現在は「食事処(どころ)なごみ」「クローバー食堂」「メイクユウキッチン」の各女性グループが利用する。

 ともに松代町西条の青木恵さん、山下久美子さん、篠ノ井地区在住の竹内幸江さんの30代主婦3人でつくるメイクユウキッチンは27日、黒米のご飯や季節野菜のおからあえなど地元産や旬の食材をふんだんに使った献立を提供。無添加にこだわり、調味料も手作りで地元などの25人が味わった。初めて訪れたという松代町の女性(71)は、「古い家で食べると小さいころを思い出して懐かしい」と喜んでいた。

 寺町商家のオープン前から松代地区内で4、5回練習を積んできた3人。竹内さんは「学んできたことを披露する場として、月に1回くらいできればいい。すてきな建物に合うような食事を提供したい」と張り切っている。

 寺町商家は、地域交流拠点として地元のNPO法人夢空間松代のまちと心を育てる会が管理。ワンデイシェフは希望者を募って随時実施しており、今後は6月18、24日にある。予約が必要。問い合わせは寺町商家(電話026・214・5013)へ。

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