長野市の善光寺で57日間にわたって行われた御開帳は31日、浄土宗、天台宗それぞれに結願(けちがん)大法要を営み、閉幕した。最終日も天候に恵まれ、数多くの参拝客から願いを受けてきた前立(まえだち)本尊の厨子(ずし)が閉じられた後も、大勢の人が回向(えこう)柱に触れ、名残を惜しんだ。
午前の結願法要を終え、薄曇りの空が明るい西日に包まれる中、午後5時から期間中最後の夕座法要が始まった。大本願の鷹司誓栄(たかつかさせいえい)副住職が壇上に上り、厨子の扉を閉じた。参拝者で埋まった本堂内に「あぁ」と大きなため息が広がり、しばらくして拍手が湧き起こった。
善光寺などによると、4月5日からの御開帳期間中の参拝者数は、前回2009年の673万人を上回る推計700万人に達する見通しだ。内田道樹・寺務総長は「御開帳は善光寺を支えてくださる皆さんへの恩返しの機会でもある。無事に終えることができ感謝している」と話した。
前立本尊は6月1日午後1時ごろ、御輿(みこし)で本堂を出発し、宝庫のある大勧進に移される。
善光寺と同日程で行われた元善光寺(飯田市)の御開帳も31日に閉幕した。