ネパールの文化などに興味を持つ人たちがつくる「日本・ネパール会」長野支部などは10日午後3時から、4月25日に発生したネパール大地震で被災した子どもたちが描いた絵約30点を諏訪市図書館で展示する。現地で支援活動や被害調査をしていたネパール研究者伊藤ゆきさん(埼玉県)が預かってきた。
発生から約2週間後、首都カトマンズから東方15キロほどの古都バクタプルで自宅が倒壊したり地震の再来を恐れたりする人が集まった「テント村」で子どもたちが描いた。
倒れてしまった家や新しく住みたい家、家族を描いた絵などが並ぶ。14歳の子どもは、カトマンズの観光名所で約200年前に建てられた塔「ビンセンタワー」が倒れた様子、涙を流す人、英語で「PRAY(祈る)」などと描いた。伊藤さんは「自分たちが誇りを持つ大事な物が壊れた悲しい気持ちが現れているのではないか。ネパールのことを思って祈ってほしい、という意味だと思う」と話す。
伊藤さんは、マグニチュード(M)7・3の最大余震が発生した5月12日から10日間余、バクタプルなどに入った。知人のネパール出身女性教諭らが現地で開く青空教室で描いた作品を借りた。
展示は今月28日まで。同日午後2時からは、伊藤さんが諏訪市文化センターで現地の被害の状況や支援方法について報告する。カースト制と被害の程度の関係も話す予定。無料。問い合わせは長野支部の古畑さん(電話090・1860・9677)へ。