城端曳山祭の明治期の法被をのれんにして店の軒先に飾った大西会長

城端曳山祭の明治期の法被をのれんにして店の軒先に飾った大西会長

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明治期の法被をのれんに 城端曳山祭・山町の西上町

北日本新聞(2015年6月12日)

 南砺市城端の国重要無形民俗文化財・城端曳山(ひきやま)祭の山町の一つ、西上町の山蔵から明治期の法被が数十着見つかり、住民が一部をのれんに仕立て商店の軒先に飾り始めた。祭りの歴史と伝統をPRし、今も守り続ける城端町人の心意気を来訪者に伝えていく。

 城端曳山祭は約300年の歴史があり、国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に一括登録を目指す全国33件の「山・鉾・屋台行事」に含まれる。

 古い法被は来年、法被新調を検討する西上町の住民たちが山蔵のたんすを整理していた際に見つかった。紺地の背面に朱色で大きく「城」と染められ、西上町の曳山「竹田山」の御神像・恵比須に由来する「恵組」の文字が入っている。曳山の装飾と同様に水波模様が描かれている。

 西上町の法被は明治後期、恵比須にちなみ「鯛(たい)」を背中に描いたデザインになったといい、それ以前の明治初期のものとみられる。

 西上町に住む城端曳山祭保存会の大西正隆会長(68)らが見つかった法被のうち史料として保存する5、6着を除いた残りを、祭りと町のPRに有効活用しようと考え、町内の希望者に配った。西上町は城端別院善徳寺前の商店街で、商店主らが順次、のれんなどに仕立てた古い法被を店先などに飾る計画という。

 大西会長が第一号として仕上がったのれんを、自身が経営する大西佛壇本店の軒先に掛けた。大西会長は「古い法被からは昔の町人の心意気がしみじみと感じられる。5月の曳山祭以外の時期に訪れた人々にも祭りの雰囲気を感じてもらいたい」と話す。

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