それぞれが手掛けた木彫パネルをPRする(右から)山崎さん、井口さん、高桑さん、前川さん、高田さん=南砺市消防団井波分団屯所

それぞれが手掛けた木彫パネルをPRする(右から)山崎さん、井口さん、高桑さん、前川さん、高田さん=南砺市消防団井波分団屯所

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消防団の井波彫刻師、木彫パネルで新たな販路

北日本新聞(2015年6月14日)

■若手団員の確保も目指す

 南砺市消防団井波分団(角地永吉分団長)に所属する井波彫刻師が、火消しの纏(まとい)や消防団マークをモチーフにした木彫パネルを制作し、販売する取り組みを始めた。全国の消防関係者をターゲットに、需要が伸び悩む彫刻の販路を開拓し、消防団のネットワークで収入が得られるメリットを呼び水に若手彫刻師を団員として確保するのが狙い。伝統工芸と地域の安全を守る活動が支え合う地域性を生かした取り組みとして定着させたい考えだ。(井波支局長・中島慎吾)

 木彫パネルは、分団員で彫刻師の高桑章さん(63)、井口悟志さん(50)、高田剛さん(44)、前川大地さん(38)、山崎新介さん(47)の5人が、分団とは別に井波消防彫刻部会を組織して受注し、クスノキやケヤキを用いて作る。全国の消防団関係者に配布される日本消防協会の広報誌に記事を投稿し、受賞や退団の記念品としてPR。注文があれば部会員が順番に制作を請け負う仕組みを整えた。

 取り組みの背景には、分団員の高齢化と井波彫刻の衰退への危機感がある。分団員65人のうち40、50代が約7割を占め、将来にわたり安定した活動を続けるには若手の確保が急務だ。普段は自宅や地元の工房で働くことの多い若手彫刻師に入団してもらえれば、分団の若返りを図れる上、火災の際に即座に出動できる団員の増加にもつながる。

 彫刻業界を活性化したいとの思いもある。井波彫刻協同組合によると、主力商品の欄間の売り上げは、平成に入って洋風住宅の増加や安価な輸入品が出回ったために激減。近年の井波彫刻全体の年間売り上げは、最盛期だった昭和50年代の半分以下の約8億円となっている。パネルを記念品として広く浸透させることができれば、売り上げを下支えし、井波彫刻の高い技術を再評価してもらうきっかけにもなると考えている。

 彫刻部会の設立を提案した角地分団長は「日本中にいる消防関係者の需要をなんとかすくい上げ、井波彫刻の活性化と消防団活動の充実につなげたい」と話している。

 パネルの価格は大きさやデザインによって異なる。小さめでシンプルなものは3万円ほどで作れる。名前や分団名を入れることもできる。問い合わせは彫刻部会事務局の前川さん、電話0763(82)5153。

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