佐久地方は23日昼間、青空が広がり、16日と19日にごく小規模な噴火が起きた浅間山(長野・群馬県境、2568メートル)の全景が見えた。火口からの噴煙は、時間や場所によって、見えたり目立たなかったり。麓の住民らは火山活動が静まるよう願っていた。
小諸市御影新田からは午後2時ごろ、かすみがちながらも裾野まで見えた。妻と畑でブロッコリーの苗を定植中の竹内政夫さん(68)は「小諸は噴火しても降灰が少ないが、(群馬県)嬬恋村は降ることが多く、キャベツ農家が苦労している。大きい噴火にならばければいいが...」と、群馬県側も思いやる。
軽井沢町の諸星ひとみさん(33)は23日朝、車に乗っていたところ煙が上がっているのが見えたといい、「地元の人にとっては、小さな噴火では驚かない。あまり気にしていない」。浅間山を望む場所で畑作業をしていた同町の男性(71)は「これからどうなるか分からないが、浅間山はどんと鎮座していてほしい」と話していた。
浅間山は午後、小諸市役所の屋上などからも見え、職員たちが眺めた。登山者の把握に務める市総務課の職員は「天候がどうあろうと、落ち着いて対応を続けたい」と気を引き締めていた。
気象庁によると、噴煙は16、17日に高さ約千メートル、19日に約800メートル上がっているのを確認したが、23日は午後4時ごろに500メートルだった。