伊那市産のワイン用ヤマブドウを初めて市内の工房で醸造して仕上げた赤ワイン「山紫(やまむらさき)」=写真=が28日、同市で発売された。ヤマブドウは、特産化を目指し信州大農学部(上伊那郡南箕輪村)と市が連携して開発した品種。試験販売を始めた昨年は720ミリリットルのフルボトル295本を完売した。ヤマブドウの収量が増え、今年は615本を限定販売する。
第三セクター伊那市観光が同市高遠町で運営する「高遠さくらホテル」は特製の案内板を用意し、「力強さと酸味のあるフルーティーな味わい」などとPRしている。この日は朝から山紫を買い求める客もいたという。1本2500円(税込み)で、市内の酒店や同社運営の観光施設などで扱う。
伊那市観光総支配人の浦野芳一さん(57)は、収量がより増えれば飲み比べや宿泊プランでの提供なども考えたいとし、「伊那の一つのブランドになればいい」と期待を寄せていた。