完成したサンサンワイナリーの工場内部=30日、塩尻市

完成したサンサンワイナリーの工場内部=30日、塩尻市

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塩尻、ワイナリー活況 市内10カ所目誕生

信濃毎日新聞(2015年7月1日)

 ワインを重要な産業と捉え補助金を出すなどしてワイナリー(醸造所)を支援する塩尻市で、10カ所目となる新たなワイナリーが30日、誕生した。愛知県春日井市の社会福祉法人サン・ビジョンが塩尻市柿沢に建設していた「サンサンワイナリー」で、今秋、敷地内で栽培したブドウで醸造を始める。工場の内部を2階からガラス越しに見学できるほか、販売拠点となる「ショップ棟」も建設中。観光誘客も狙っている。

 同法人は、塩尻駅前で特別養護老人ホームなどが入る複合施設「グレイスフル塩尻」を運営している。ワイナリーは鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約1390平方メートル。年間約50キロリットルを醸造できる。1階は工場で、2階は品質管理室やテイスティング研究室がある。一般の人も試飲を楽しめるようにする計画という。事業費は約6億2千万円で、国の補助金約2億6千万円を活用した。

 戦前から多くのワイナリーが集まる塩尻市。市は果樹棚の新設や更新に補助金を出したり、「塩尻ワイン大学」で人材育成を図ったりしているほか、ワインを名産品の一つとしてPRにも取り組む。塩尻志学館高校では授業でワインを醸造している。

 サン・ビジョンのワイン醸造参入は地域貢献の一環。2012年、市が公募したブドウ試験栽培の市有地2ヘクタールを借り、シャルドネやメルローの栽培を始めた。栽培は市内の醸造家戸川英夫さんが手掛ける。来春には市内の別の場所でもブドウ栽培を始める。

 30日の完成式には30人ほどが出席。同法人の杢野暉尚(もくのてるひさ)理事長は「やっとここまでたどり着いた。市内の名所の一つとして貢献できるよう育てたい」と意気込みを語った。

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