10日に開幕する福井県勝山市の福井県立恐竜博物館の開館15周年記念特別展「南アジアの恐竜時代」(同博物館、福井新聞社主催)を控え、標本の搬入や設置作業が進んでいる。1日は、展示の目玉である貴重な恐竜2体の骨格標本の組み上げ作業が行われた。
この日組み上げたのは、タイ産の竜脚類、プウィアンゴサウルスと、ラオス産の獣脚類、イクチオベナトール。プウィアンゴサウルスは勝山で発掘されたフクイティタンの近縁で、全長15・5メートルの巨大標本。イクチオベナトールは全長9メートルで、ひれのように見える背中の突起に1カ所、切れ込みがあるのが特徴。ラオス国外では初めて公開される。
特別展はタイやラオス、中国南部など、化石の産出で世界的に注目される「南アジアの恐竜」がテーマ。2体のほか、世界初公開となるアンキロサウルス類の実物化石、巣の形がそのまま保存された恐竜の卵化石など100点以上を展示する。
標本は船便で日本に運ばれ、6月29日に同博物館に搬入された。30日から標本設置などが急ピッチで進められている。1日はタイの地質学者や鉱物資源局職員の立ち会いの下、担当者が慎重に組み上げていった。同博物館の関谷透研究員(34)は「南アジアでは次々と化石が発見されている。最新の研究の成果を堪能してもらいたい」と話している。
入場料は一般1200円、高校・大学生800円、小・中学生600円、70歳以上500円。前売り券(70歳以上を除き各200円引)は9日まで、福井新聞社やベル、パリオ、エルパプレイガイド、武生楽市、チケットぴあ、全国の主要コンビニで販売している。特別展は10月12日まで。