全長15・5メートルのプウィアンゴサウルス全身骨格標本などを披露している特別展「南アジアの恐竜時代」=10日、福井県勝山市の県立恐竜博物館

全長15・5メートルのプウィアンゴサウルス全身骨格標本などを披露している特別展「南アジアの恐竜時代」=10日、福井県勝山市の県立恐竜博物館

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南アジアの恐竜に迫る、特別展が開幕 研究の成果を一堂に披露

福井新聞(2015年7月11日)

 福井県勝山市の県立恐竜博物館開館15周年を記念した特別展「南アジアの恐竜時代」(同博物館、福井新聞社主催)が10日、同博物館で開幕した。恐竜の進化の過程や多様な食性など、アジア南部の恐竜研究の成果を一堂に披露している。

 恐竜化石の発掘地として世界的に注目されているタイ、ラオス、中国南部にスポットを当てた特別展。世界初公開約50点と日本初公開約30点を含め、約110点の実物、複製標本を展示している。
 展示ゾーンは時代ごとに設けられ、ペルム紀後期から始まり、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と続く。

 竜脚類は、アジア最古のイサノサウルスや、時代が進んで進化した約1億3千万年前のプウィアンゴサウルスなどを紹介。プウィアンゴサウルスは目玉展示の一つで、全長15・5メートルの全身骨格標本を展示している。
 獣脚類では、多くが肉食である中で魚食性のイクチオベナトールや、草食性のテリジノサウルス類など多様な種を展示。中国で見つかった巣の形がそのまま保存された恐竜の卵化石なども見られる。

 開会式には西川知事、吉田真士福井新聞社社長、3カ国の関係者ら約150人が出席。西川知事は「今回展示するアジア南部の化石は、福井県で発掘している地層と同じ時代の地層から産出されている。恐竜の進化、移動の研究を進める上で世界的にも注目されている」とあいさつした。

 吉田社長は「展示だけでなく、講演会やいろいろなイベントを予定しており、大人から子どもまでが楽しめ、好奇心を満たすことができる内容になっている」と多くの来館を呼び掛けた。勝山市成器南小4年生の30人によるオープニングパフォーマンスもあった。

 特別展は10月12日まで(9月9、24日は休館)。入場料(常設展込み)は一般1200円、高校・大学生800円、小・中学生600円、70歳以上500円。(藤田尚久)

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