久世さんの富山で過ごした青春時代にスポットを当てた企画展。手紙や自筆原稿などが並ぶ=高志の国文学館

久世さんの富山で過ごした青春時代にスポットを当てた企画展。手紙や自筆原稿などが並ぶ=高志の国文学館

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故・久世さんの創作の軌跡紹介 高志の国文学館

北日本新聞(2015年7月12日)

 作家で演出家の故久世光彦(てるひこ)さん(1935~2006)を取り上げた企画展「あの日、青い空から-久世光彦の人間主義」が11日、富山市舟橋南町の高志の国(こしのくに)文学館で開幕した。自筆原稿や手紙、写真など資料約350点を展示。富山で過ごした青春時代を軸に、久世さんの創作の軌跡を紹介する。9月7日まで。北日本新聞社後援。

 東京生まれの久世さんは終戦直前の45年7月、両親が生まれた富山に疎開し、高校卒業までの9年近くを過ごした。

 企画展は3章で構成。第1章は、TBS時代に演出を手掛けた大ヒットドラマ「寺内貫太郎一家」のセットを再現したジオラマや、「ムー」の企画書などを並べ、演出家、作家としての足跡を伝えている。

 第2章は少年・学生時代の資料を展示した。恋人だった年上の女性に送った手紙や自筆の詩の原稿のほか、久世さんも体験した富山大空襲を伝える写真を飾っている。第3章は作詞家としての仕事にスポットを当てている。

 会場に訪れた富山大付属中学校と富山高校の同級生、松原明男さん(80)=富山市久方町=は「軍国主義に染まった日本が文化国家に変わったのは、久世さんの貢献が大きいのではないか」と話した。

 開会式では、石井知事があいさつ。久世さんの妻の朋子さん、姉の瓔子(えいこ)さん、兄で元参院議員の公堯(きみたか)さんが謝辞を述べた。文学館の中西進館長と運営委員長の高木繁雄富山商工会議所会頭、友の会会長の永原功北陸電力相談役、加藤淳県芸術文化協会副会長が加わり、テープカットした。小林加代子学芸員が展示を解説した。

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