写真に刺しゅうを施した作品で知られるさんの北陸初の個展「清川あさみ-美採集-」(福井新聞社共催)が18日、あわら市の金津創作の森で始まった。旬の女優らを題材にした代表作「美女採集」シリーズのほか、絵本シリーズなど約160点を展示。初日から多くのファンが訪れ、独自の手法で表現された美を堪能した。
清川さんは美術作品にとどまらず衣装、映像、広告、空間デザインといった多彩な分野で才能を発揮。近年は絵本の挿絵も手掛けるなど、幅広い年齢層に支持されている。
女優やモデルなどの被写体から受けるイメージに合わせて、動植物に"変身"させる「美女採集」シリーズでは、道端ジェシカさんや長澤まさみさん、中谷美紀さんら有名人を取り上げた作品が並ぶ。刺しゅうやスパンコールが施された鮮やかな画面を、じっと見つめる人もいた。シートンの名作を絵本にした「狼(おおかみ)王ロボ」の原画を並べた一角では、無数の木材も一緒に展示することで、作品世界の雰囲気を高めている。
このほか段ボールをかぶって映像を楽しむバーチャル絵本や、屋外の森の木々に赤や青、紫色の布を施した空間を作品としたインスタレーションなど、さまざまな手法の作品が披露されている。齋藤沙織さん(33)=福井市幾久=は「重厚感と立体感があった。女優さんがますますきれいに見えました」と話していた。
開会式で清川さんは「素晴らしいロケーションの会場で、私も気合の入った展示になった。いろんなことを感じてもらえれば」あいさつした。女優夏木マリさんとのトークショーもあった。
同展は9月27日まで(7月20日と9月21日を除く月曜と、7月21日、9月24日休館)。一般800円、大学生500円、障害者と65歳以上400円、高校生以下無料。問い合わせは同館=電話0776(73)7800。