伊那谷産のリンゴのシードルとイチゴのスパークリングワインにラベルを付ける渡辺さん(右端)ら

伊那谷産のリンゴのシードルとイチゴのスパークリングワインにラベルを付ける渡辺さん(右端)ら

長野県 伊那路

伊那香る発泡りんご酒 上伊那の若手有志、製造販売

信濃毎日新聞(2015年7月23日)

 上伊那地方の若手有志が、伊那市産のリンゴで発泡りんご酒「シードル」を造り、22日、販売を始めた。信州大農学部(南箕輪村)が開発した夏秋(かしゅう)イチゴ「恋姫」を使ったスパークリングワインも製造し、市内の飲食店などで提供する。来年以降もさまざまな品種で造る計画で、地元の産品のおいしさを知ってもらい、農業と市街地の活性化につなげようとしている。

 有志は、飲食店や山小屋など10店舗の店主ら。傷物や規格外などで安値で取引されるリンゴを使って純伊那谷産のシードルを作ろうと、昨年秋、「ASTTAL(アスタル)シードルクラブ」を結成した。市内の農園でふじ約300キロを収穫し、同市美篶の「伊那ワイン工房」に醸造を依頼した。

 シードルは750ミリリットル入り(税込み1620円)117本、375ミリリットル入り(同1296円)363本を製造。豊かな蜜の香りと辛口で爽快なのど越しが特徴だ。イチゴのスパークリングワインは375ミリリットル入り(同1944円)160本で、香りが華やかな「大人の味」に仕上がった。

 ともに無香料、無着色で、製造過程で加熱していないため果実本来の香りや味を楽しめるという。同クラブ代表で、市内でレストランを営む渡辺竜朗さん(43)は、そばやジビエ(野生鳥獣肉)など地元産食材と一緒に飲むことを薦め、「毎年、味の違いを楽しみにしてもらえるよう広めていきたい」と話している。

 クラブ参加店で提供するほか、同市日影の「井田屋酒店」(電話0265・72・2331)で販売している。

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