高い装飾技術がうかがえる刺し子の着物など約30点が並ぶ企画展=23日、福井県坂井市のみくに龍翔館

高い装飾技術がうかがえる刺し子の着物など約30点が並ぶ企画展=23日、福井県坂井市のみくに龍翔館

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海女の刺し子技術を披露 坂井で伝統の衣装を展示

福井新聞(2015年7月25日)

 福井県坂井市のみくに龍翔館で23日、夏の企画展「海女の手仕事 三国の刺子」が始まった。同市三国町の海女たちが刺し子を施した着物や前掛けなど約30点を展示。緻密な幾何学模様から、高い技術と丁寧な仕事ぶりがうかがえる。

 刺し子は、保温や補強のため布に糸を縫い込む技法。同町では昭和初期まで沿岸の各地域に刺し子文化が残っていたとされる。海女が仕事の合間に刺し子を施した着物は、仕事着や防寒具などに使われた。同館が行った聞き取り調査によると、着物1着を仕上げるのに1年ほどかけたという。

 同展では、同館の収蔵品の中から、明治から昭和初期にかけて作られた刺し子の着物や前掛けなどを安島、崎、米ケ脇など地域ごとに分けて並べた。藍染めの木綿の着物に、円を重ねたり、升を重ねたりした幾何学模様が、木綿糸で細かく縫い込まれている。地域ごとに、使用している糸の色や模様に違いがあることがわかる。

 同館の釣部由紀子学芸員は「三国は北前船などの影響で独自の文化を育んできた地域で、刺し子もその一つ。三国の海女の高い装飾技術を感じてほしい」と話している。

 同展は8月31日まで。開館は午前9時〜午後5時で、水曜休館。大人300円、小中生150円。問い合わせは同館=電話0776(82)5666。(児島崇之)

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