しなの鉄道(上田市)は運行開始から1年を迎えた観光列車「ろくもん」の車内限定で、県伝統的工芸品に昨年指定された「松代焼」の湯飲みと、客室乗務員が着けているのと同じスカーフの販売を始めた。これまでも上田市の伝統的絹織物「上田紬(つむぎ)」の巾着や名刺入れを車内販売しており、今後も沿線地域の特産品などを土産に加える予定だ。
湯飲みは、懐石料理を提供している「ろくもん2号」で、食後のほうじ茶を出す際に使われている。江戸時代に松代藩が生産を奨励した松代焼は、釉(ゆう)薬を二重掛けすることによる青緑色の光沢が特徴。湯飲みの縁に塗られた緑色の釉薬は、信州の山並みを表現している。中央に戦国大名・真田氏の家紋「六文銭」を付けた。1500円。
スカーフは縦40センチ、横130センチほどで、ろくもんを手掛けた列車デザイナーの水戸岡鋭治さんがデザインした。水色の布に、六文銭を表現したマークや、ともに真田氏の家紋の「結び雁金(かりがね)」「洲浜(すはま)」をあしらった。100枚限定で、1枚5千円。
ろくもんは長野―軽井沢間で週末を中心に1日1往復半運行している。食事付きプラン(1万2800円)は9月末まで予約がほぼいっぱいだが、乗車券と指定席券(大人千円、小学生以下500円)で乗車できる「乗車券指定席プラン」は、31日以降、空きがあるという。問い合わせはろくもん予約センター(電話0268・29・0069)へ。