観客の目の前で人形を操る台湾の劇人たち

観客の目の前で人形を操る台湾の劇人たち

長野県 伊那路 祭り・催し

交流30年、台湾の人形劇登場 飯田のフェスタ

信濃毎日新聞(2015年8月7日)

 飯田市で開催中の「いいだ人形劇フェスタ2015」で6日、メーンセレモニーが同市中央公園のフェスタセントラルパークで開かれた。前身の「人形劇カーニバル飯田」を含め、台湾との交流が30周年を迎えたのを記念。台湾の伝統人形劇布袋戯(プータイシー)を現代的にアレンジした「三昧堂総意木偶(さんまいどうそういでく)団隊」が本場のパフォーマンスを披露し、会場を沸かせた。

 同劇団などによると、布袋戯は17世紀ごろ中国福建省で始まり、台湾に伝わった伝統人形劇。もともと人形は手のひらに乗る大きさだったが、台湾で1960年代に人形を大型化した布袋戯がテレビ放映されてヒット。80年代以降は台湾の若者を中心に同人誌や衣装をまねたコスプレが流行し、サブカルチャーとして人気を博した。

 三昧堂は、そうした世代の若者たちの趣味が高じて立ち上げた劇団だ。伝統の布袋戯に比べ人形は高さ80センチほどと大きく、口や目も動く。セレモニーでは、華やかな衣装を着けた人形を2人が動かし、客席に入って握手して回った。劇団の厳仁鴻さん(42)は「(人形劇は)自分が俳優のように他の人になりきれるのが魅力」と話した。

 セレモニーに続いて開かれた三昧堂の公演では、観客が人形遣いを体験した。川崎市の津島直行さん(42)は長女の光来(ここ)ちゃん(5)と挑んだが人形がなかなか動かず、「3本の指で鉄の輪っかを挟むように動かすのが、重くて難しかった」と話した。

 9日まで飯田市の川本喜八郎人形美術館で、三昧堂が持参した人形30体余りを展示している。

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