ヘルメットを着用する登山者。持参する人も目立った=北アルプスの涸沢ヒュッテ

ヘルメットを着用する登山者。持参する人も目立った=北アルプスの涸沢ヒュッテ

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ヘルメット持参者目立つ北ア 着用義務付けるツアーも

信濃毎日新聞(2015年8月12日)

 北アルプスの穂高連峰を目指す登山者で今夏、ヘルメットを持参する姿が目立っている。涸沢から上の奥穂高岳や北穂高岳への登山道は岩場で、落石などの危険がある。山小屋「涸沢ヒュッテ」社長の山口孝さん(67)は「7割近くがヘルメットを持参する。頭を守る意識が広まっているのでは」とみている。

 上高地から奥穂高岳を往復するツアーの20人は8月上旬、全員がヘルメットを着けて涸沢に下山した。企画した旅行会社は昨年、安全面の配慮からヘルメット着用を義務付けた。レンタルもあるが、参加者の7割が持参したという。同社の鳥山皓司さん(33)は「煩わしいかもしれないが、落石から頭を守れるので安心感がある」と話す。

 涸沢―奥穂高岳間の登山道ザイテングラードは急な岩場やはしごがある。奥穂高岳に登った栃木県の会社員奥博司さん(42)は4月に買ったヘルメットを初めて使った。「家族に心配を掛けたくない。もし落石があっても致命傷は免れるのでは」と話した。

 県山岳遭難防止対策協会は、穂高連峰一帯を含む県内5地域をヘルメットの着用奨励山域に指定。涸沢ヒュッテはヘルメットを1回千円で貸し出している。県警山岳遭難救助隊によると、転倒や滑落の遭難例で4割近くが頭を負傷している。副隊長の岡田嘉彦さん(43)は「転倒や滑落に備えるためにも勧めている」と話した。

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