かがり火が揺らめく中、観客を幽玄の世界へいざなった高岡薪能=瑞龍寺

かがり火が揺らめく中、観客を幽玄の世界へいざなった高岡薪能=瑞龍寺

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高岡薪能、情念の舞台堪能 瑞龍寺

北日本新聞(2015年8月24日)

 第33回高岡薪能(たきぎのう)は23日、高岡市関本町の国宝瑞龍寺で開かれ、約700人の観客が、かがり火が揺らめく大伽藍(がらん)で国内を代表する能楽師らが繰り広げる幽玄の世界に浸った。高岡能楽会主催、北日本新聞社共催。

 山門前に舞台が設けられ、重要無形文化財保持者(総合認定)の大坪喜美雄師、金井雄資(ゆうすけ)師、金森秀祥(ひでとし)師、佐野由於(よしお)師らが出演した。

 上田博同会理事長が開会宣言し、会長の高橋高岡市長があいさつ。火入れの儀では、四津谷道宏住職らの先導で酒井立志市議会議長、板倉北日本新聞社長、中西修富山テレビ放送社長らが、かがり火をともした。

 能「鉄輪(かなわ)」は金森師がシテを務めた。夫に捨てられた前妻が恨みから鬼となり、男の命を奪おうとするが、陰陽師(おんみょうじ)の力で思いを果たせずに消え去るという物語。炎で照らされた舞台で、鬼気迫る呪いの様子や女性の哀しみが情感豊かに演じられた。

 火入れに先立ち金井師が曲目を解説。金井師が舞囃子「養老」、佐野師が仕舞「清経」、大坪師が同「井筒」をそれぞれ演じた。狂言「鬼瓦」も披露された。法堂(はっとう)では高岡能楽会員が素謡を発表した。

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