月が浮かぶ夜空などを映し出す舞台装置。ホール内にいながら、すぐ外に海や空が広がっているような感覚になる

月が浮かぶ夜空などを映し出す舞台装置。ホール内にいながら、すぐ外に海や空が広がっているような感覚になる

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オペラ引き立てる舞台装置 OMF、ガラス天井に空の映像

信濃毎日新聞(2015年8月26日)

 松本市で開催中のセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で24日に開幕したオペラ「ベアトリスとベネディクト」で、大掛かりな舞台装置を生かした演出が話題になっている。舞台はオペラが作曲された19世紀のガラス建築がモチーフで、ガラス天井に空の映像を映し出すなど趣向を凝らした仕組み。熱演を引き立てる映像技術が観客の好評を得ている。

 オペラはシェークスピアの喜劇「空騒ぎ」が原作で、地中海のシチリア島が舞台。将校ベネディクトと総督のめいベアトリスの恋愛を描く。演出家コム・ドゥ・ベルシーズさん(35)が演出を、美術デザイナーのシゴレーヌ・ドゥ・シャシィさん(49)が装置を担当した。

 演出の中で特に目を引くのが、天井に空模様を映す仕掛け。夕焼けや日の出、稲妻が、シーンごとに映し出される。この映像を手掛けたイシュラン・シルギジアンさん(30)は「空模様に登場人物の内面を反映させた」と説明。フランスで実際に撮影した空の映像を使っており、「現実と演劇の世界が面白い絡み合いを見せる手法になっている」という。

 観賞した松本市の団体職員跡部嵩幸(たかゆき)さん(29)は「シチリア島の雰囲気が舞台に表れていた」。市内の会社役員男性(70)も「演出がオペラに花を添えていた」と話す。

 オペラは27、29日も上演する。残席は27日のS席が10席ほど、A席が19席。いずれも当日販売。立ち見席は両日とも30席あり当日販売する。

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