星野リゾート(北佐久郡軽井沢町)は10月30日、山梨県富士河口湖町に、新業態の宿泊施設「星のや富士」を開業する。ぜいたくなキャンプを意味し、「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせた造語「グランピング」がテーマ。「日本初のグランピングリゾート」と銘打ち、たき火を囲む屋外ラウンジや薫製作りなど、自然の中で快適に楽しめる体験を提供する。
敷地は、河口湖北側の丘陵の森に位置する約6ヘクタール。それぞれ独立した計40室の客室(キャビン)は広さ44〜53平方メートルで、定員は2〜3名。全客室から河口湖が望める。景色を楽しめるように客室の3分の1のスペースをテラスに充て、ソファやランプを置く。
敷地は傾斜し、最上部にはアウトドア体験を楽しむためのさまざまなサービスを提供する「クラウドテラス」を設置。森の中にテラスが点在する構造で、たき火を囲みながらウイスキーなどが飲めるバーやカフェ、ピザや薫製作りが体験できるキッチン、ハンモックなどを用意する。
通年営業し、宿泊料金は1泊1室4万5千円(税・サービス料込み)からで、飲食は別。レストランでの食事やクラウドテラスでのダッチオーブン料理などが選べる。
グランピングは、欧米発祥の新しいキャンプの形。コテージやテントの設備がホテル並みに充実しているのが特徴だ。同社によると、国内にもグランピングを打ち出したキャンプ場は数カ所あるが、宿泊施設としては星のや富士が初めて。
星野リゾートは、滞在型リゾート「星のや」、温泉旅館の「界」、女性や家族向けの「リゾナーレ」といったブランドの宿泊施設を展開し、星のや富士は国内35カ所目。同社は「グランピングは近年欧米を中心に成長している新しいカテゴリーのリゾート滞在で、自社でも5年前から研究を続けてきた。自然をぜいたくに快適に楽しめる、これまで日本になかったリゾートを提供したい」(広報担当)としている。